?『このワインはまるで別珍のようだ』?
先日の台風の後、一気に寒くなってきましたね。
さてこの季節になると「衣替え」をされた方も多いのではないでしょうか。
最近はどこでも空調が整っているので、服装の季節感がなくなっているとも
言われていますが、中にはやはり冬ではないと着られない素材のものもたくさんありますよね。
そんな折、先日社員Kがステキなベルベットの服で出社してきました。
そこでこんな発言が…
「『ベルベットが良くお似合いですね』って言われたらちょっと嬉しいかもしれないけど『別珍が良くお似合いですね』って言われたらちょっと首をひねるところだよね」
確かにそうかもしれません。
あとワインなどの味を表すのに「ベルベット」などが使われることも
ありますが(「ベルベットの舌触り」など)こちらも「別珍の舌触り」
とは言いませんね。
勝手な読みですが、恐らく別珍の「珍」の響きがネックなのだろうなと思われます。
上記のワインの例もそうですが、このベルベット・ビロードは素材としての名前だけではなく、いろいろなものの喩えにも使用されています。
少し調べてみました。
◆「ベルベット」に喩えられるもの
・チョコレート-「ベルベットの生地のようななめらかな食感を楽しめるチョコレート」
・ワイン-「ベルベットのような舌触り」
・アイシャドウ-「ベルベットのようなテクスチャー」
・肌-「ベルベットのような手触りのセミマットな上品肌」
・泡1(洗顔料)-「きめ細やかなベルベットのような泡」
・泡2(カフェラテ)-「ベルベットのような、とてもなめらかなミルクの泡」
・バラ-「ベルベットのような花弁をもつダークレッドのバラ」
(こんなものも!↓)
・タランチュラ-「ベルベットのような光沢にすらりと長い脚」
◆「ビロード」に喩えられるもの
・ガーネット(宝石)-「すばらしいビロードのような赤色です」
・サファイア(宝石)-「透明感のあるビロードのような光沢を持つ」
・オーケストラ-「ビロードのようなオーケストラの響き」
・カビ(チーズに生えるカビ)-「白いビロードのようなカビ」
・梅干-「ふっくらとしてビロードのようななめらかな果皮」
・ケーキ-「ビロードのようなキメ」
・キャビア-「ビロードのような色合」
・声-「ビロードのようななめらかな声」
・猫-「ビロード
のような輝きと絹のような手触りです」
(こんなものも!↓)
・モグラ-「ビロードのような触感があるという」
※ワイン・肌・バラについては「ベルベット」「ビロード」どちらでも広く見つかりました。
「ベルベット」「ビロード」に比べると「ベロア」「別珍」は喩えられる
ものが少ないようです。これらの実例を見ていると、
ベルベット・ビロードの「触感」→他のものの「触感」 だけではなく
ベルベット・ビロードの「触感」→味覚・聴覚
などへの拡張も見られて面白いですね。
徐々に冬の足音が聞こえてくるこの頃、皆様冬物衣料を着こなして、暖かくお過ごし下さいね。
(註:ベルベット・ビロード・ベロア・別珍の違いですが、これらは素材・製造方法によって名前が区別されています。ベルベットとビロードはほぼ同じ。
素材はレーヨン・絹などが使われることが多いそうです。
別珍は素材は主に綿が使われています。またベルベット・ビロード・別珍は織物なのに対して、ベロアは編み物という点が異なります。)
文責:alto.