ぶらり台湾の旅

旅に出たくなる理由は人それぞれだが、私が台湾に行こうと思ったきっかけはwebの記事で読んだ彩虹眷村だ。
「彩虹」は中国語で「虹」のこと。
村には一面色とりどりの絵が描かれている。村中に絵を描いたのは「黄じいさん(黄伯伯)」という90歳を超えるおじいさん。
再開発で取り壊される村に一人で絵を描き始め、取り壊し予定だった村は今や台中の観光スポットとなっている。
さくらももこのイラストのような、ゆるくてカラフルで楽しい気持ちになりそうな雰囲気に、ここに行きたい!と台湾情報を調べ始めた。

村中カラフルなイラストで溢れています


花開富貴(かかいふうき)
中国語で「運が開いて豊かになる」という意味

黄じいさんのおうち。今もここに住んでいるようです

台湾はLCCが多数出ていて、海外旅行というより国内旅行に近い気軽な感覚で行くことができる。
調べていくうちに欲がでてきて、十分でランタンを飛ばしたいし、1日は台北の街歩きをしたいし、九份のお茶屋さんにも行きたい。これはそこそこ長い滞在が必要だな、と4泊の計画を立てた。


「彩虹眷村」は台中駅から離れているためバスで移動することにしたのだが、タイミング悪くバスが来るのは1時間後。
どうしたものかと思っていたら、知らない女性に中国語で話しかけられた。
どうもタクシーの運転手のようで、彩虹眷村まで200元(日本円で約800円)でOKとのこと。
旅の1時間は貴重なのでお願いすることに。
ちなみに台湾は比較的どこも日本語が通じる、と聞いていたのだが、実際には中国語か英語でのやり取りだった。

車中の会話で、中国語が聞き取れないと携帯をサッと取り出し翻訳アプリで日本語に変換、台中の観光情報を教えてくれた。
日本ではあまり翻訳アプリを使用している場面にお目にかからないが、台湾の観光ではお土産物屋・服屋・タクシーいたるところで翻訳アプリが登場した。

翻訳アプリもそうだが、台湾の人たちは新しいものを取り入れ、それを使いこなすのが上手だ。
例えば台湾の建物は外観が古いものが多い。というのも台南市が始めた「文化創造活動都市建設」のリノベブームが観光として成功したことから台北でも火が付き、リノベーションの動きが活発化しているようだ。
たばこ工場の跡地を再開発でオシャレスポットに生まれ変わらせた台北の「松山文創園区」、日本人医師が建てた眼科をスイーツショップとしてリノベーションした台中の「宮原眼科」が有名なスポットだが、街角にも古い建物を活用してオシャレに生まれ変わらせているお店も多い。

宮原眼科の外観

台湾といえば大量のスクーターがそこら中を走っていることで有名だが、日本ではまだあまり普及していない電動バイクが混じって走っている。
新しくできたチェーン店の前には、昔からそこで営業していたであろう煮込みや蒸しピーナッツの露店が出ている。
ちなみに、吉野家やすき屋といった日本の牛丼チェーンもたくさん出店しているが、台湾の吉野家は並・大などのメニューはなく、牛or豚or鳥といった感じで、麻婆豆腐やうどんまである。
ごちゃまぜ感がすばらしい。

台湾にはスクーター専用のレーンがあり、信号が変わるとまるでレースのように大量のスクーターが走り始める

松山の夜市。台湾は各町に夜市がありおいしい食べ物だらけでお腹が空くことがない

十分から九份にタクシーをチャーターして移動したときにビックリしたのが、移動の途中で運転手さんの娘さんを保育園にお迎えに寄ってから一緒に九份まで向かったこと。
日本だとあんまり想像できないことだが、ニコニコ話しかけてくる女の子との移動は楽しかったので、こういう自由な感じも台湾のいいところだなあ、と。

台湾のすばらしいところは枚挙にいとまがない(マッサージの安さ、夜市、人柄の良さ・・・)のですが、年に1回行きたいくらい素晴らしい旅になりました。

再訪を誓ってしばしのお別れ。

M.K