2007年8月のコラム

誤字の博物学



 学校の夏休みはまだ続いていますが、お仕事をされている方は、
お盆休みが終わって今週から仕事に戻られた方も多いのではないで
しょうか。


 お盆休みで時間があった時に、壁紙用の画像をサイトで物色してみ
ました。画像が「イラスト」「写真」「アニメ」などに分類されて
いたので、「写真」を選んでみました。すると、題名がずらりと並ん
でいて、画像そのものは見られず、題名をクリックすると画像が見ら
れるようになっていました。




 まずカワセミ。知らない人はいないでしょう。言わずと知れた
バードウォッチャーの憧れの的。ヒスイと書いて変換した漢字「翡翠」
をカワセミと読ませる「飛ぶ宝石」。有名なわりに小さくて、スズメ
ほどの大きさ、公園の池や近所の川にいても気がつかないこともあ
ります。谷津干潟の看板には「杭や建物の屋根にとまっていることも
あるので、注意して見てみましょう」とも。


 キクイタダキ。「キクイ(木喰い)ダタキ(叩き)」でキツツキの
仲間かと勝手に思っていたのは自分だけでしょうか。日本の鳥の中で
最も小さい鳥で、体重が5グラム、体長が10センチ。名前の由来は
「キク」「イタダキ」で、頭のてっぺんが黄色なのを、「菊」を「い
ただいている」ようだというのでこの名があります。


 コミズズク。目を疑った方、そうでない方もミミズクはご存知でし
ょう。「フクロウ目フクロウ科の鳥のうち、耳のように見える飾り羽
(羽角うかく)をもつ種の総称」(大辞林)。それに「コ」がついた
ようなコミミズクは「小さい」「ミミズク」ではなく、「コミミ(耳
が小さい)」「ミミズク」が名前の由来です。画像を見てみると、フ
クロウのような鳥の写真。ミミズクを知っていれば、ズズクは有り得
ないはずですが。



 梅雨の頃から咲き始め、夏中、残暑の頃までピンクや白い花をつける
植物、というと何が思い浮かびますか。
百日紅(さるすべり)でしょうか?。残念。百日紅は梅雨の内に開
花することはまずありません。


 キョウチクトウ。漢字で書くと夾竹桃。大気汚染に強いといわれ、
高速道路の道路脇に植えられているのを見ることもありますし、広島
に原爆が投下されて焼土となった後、いちはやく芽をふいた木ともい
われています。この木の苗木がホームセンターの植木売り場に並んで
いるのを見たことがあります。


 名札はきちんとワープロか何かで入力されたものでした。


 キョウモクトウ。漢字にすると夾木桃でしょうか。
「竹」ではなくて「木」になったか。いやいやと思い直し、知人にこ
のことを話したところ、学校で教えたこともあるこの方がおっしゃる
には、今、カタカナをきちんと書けない子どもがふえている。「モ」
がどちらに曲がるかわからない例があるそう。「チ」を反対に曲げて
書いたのでしょうか。手書きにされた「チ」を「モ」と読んで入力し
たのでしょうか。


 「Wikipedia」で「キョウチクトウ」を見ると「家畜がキョウチクト
ウを食べることで中毒症が問題になる。また、フランスで木を串焼き
の串にして死者が出た例がある。日本でも、かつて広島で木を箸代わ
りにして死者が出ている。広島はキョウチクトウを市の花に指定して
いるが、学校ではキョウチクトウの利尿効果や毒性についてほとんど
教育がなされていない。」とあります。




 今日も苦闘

 今日黙祷

 (変換例)

                         


2007.08


文責:T&U