2003年5月のコラム

以前、「脳の負傷で、カナは読めなくなったが漢字は読めるという症例があった。どうやら"ひらがな"は文字として、"漢字"は図形として認識しているらしい(※)」という話を聞いたとき、ルビの事が頭に浮かび、「ああ、なるほど…」と妙に納得したことがあります。
 ※『失読症(難読症)』の一症例でした。

『振り仮名(ルビ)』が使われるのは、例えば以下の場合でしょうか。
 (以下「oooo<xxx>」の xxx はルビ)

・漢字の読み方が一般的ではない場合
  「龍<ロン>一族」「金<キム>さん」「乳母<めのと>」
・仮名(特にカタカナ)だけでは意味が入りづらい場合
  「場合<ケース>」「罠<トラップ>」「偽薬<プラシーボ>」
  SFやファンタジーで「空気銃<エア・ガン>」「頭<トップ>」や
  「破壊神<シヴァ>」「嘆きの精霊<バンシー>」
・別の漢字があるけれど、より微妙なニュアンスを出したい場合
 「女性<ひと>」「事件<こと>」「理由<わけ>」

『振り仮名(ルビ)』を付けることで、”漢字を図形(意味)として、カナ(かな)を読み”読者は効果的に文を読むことができるわけです。

「嘆きの精霊が現れるという」「バンシーが現れるという」
「貴女という女性は…」「貴女という人は…」
「罠を仕掛けられた」「トラップを仕掛けられた」
「何か訳があったに違いない」「何か分けがあったに違いない」
より
「嘆きの精霊<バンシー>が現れるという」
「貴女という女性<ひと>は…」
「罠<トラップ>を仕掛けられた」
「何か理由<わけ>があったに違いない」

の方が、意味がすぐ分かるし雰囲気も出て、効果的な場合もある
でしょう。
 #でも、小中高の作文で多用するのは逆効果です(^^;。

最後にある人に教えてもらった極めつけ。とある戦前の記事から。

 『美少年の邪戀心中<みちならぬこひのきやたすとろふ>』

うーん。現代では副題<サブタイトル>にしかなりそうにない…。
戦前の頃の方が振り仮名隆盛だったみたいですね?        
2003.5

文責:KonoK