2003年6月のコラム

うっとうしい梅雨の季節になりました。
こんな言葉遊びはいかがでしょうか?

新聞の漢字クイズなどに、「次のカタカナを漢字仮名混じりで書きなさい」といった問題が出ます。
次のカタカナとは:
ウリウリガウリウリノコシウリウリカエルウリウリノコエ
答えは:
瓜売りが瓜売り残し売り売り帰る瓜売りの声
これは「瓜」と「売る」の連用形の「売り」が同じ読み仮名というところがミソです。
「売り」の中でも名詞化した「売り(上の場合は”売る人”の意味)」と動詞「売る」の連用中止法が混じっているので、もし英語に直せば
「seller」と「sell」を使い分けることになります。
この区別を問う中学入試などもたまにあります。

動作の目的語になる名詞と動詞の連用形が同じ読みなら良いのですから、同種のものがいくらでもできそうです。

●トリトリガ~:鳥捕りが鳥捕り残し捕り捕り帰る鳥捕りの声
●カリカリガ~:雁狩りが雁狩り残し狩り狩り帰る雁狩りの声
これは「声」のところが不自然なので「影」などに替えればOKですね。
●マキマキガ~:薪撒きが薪撒き残し撒き撒き帰る薪撒きの声
●カキカキガ~:柿書きが柿書き残し書き書き帰る柿書きの声
●アミアミガ~:網編みが網編み残し編み編み帰る網編みの声
これらになるとさらに状況が不自然になるようです。
「堀掘り」「舞舞い」など名詞と動詞の根の意味が同じものは避けるとすると「網編み」はちょっと怪しいかも知れません。

動詞の連用形とその目的語の名詞の読みが同じ、という条件に合う組み合わせはいくつあるでしょうか?
仮名で2文字に限定すると頭文字になる仮名69、それぞれの場合に2番目に来る仮名は連用形になれるイ段の仮名13、下二段活用の場合もあるのでエ段の仮名13で、69x(13+13)=1794種類の「2文字」が候補となります。
いくらでも出来そうだと思ったのに、その中で思いついたのが上の5つでした。
3文字、4文字と増やせば「場合の数」の規則で候補は増えていきますが、いくら候補は多くても私の語彙が追い着かず、複雑になるばかり。遊びにはこの辺がよさそうです。

皆さんはいくつ思いつきましたか?

文責:siba