2005年12月のコラム

「ボビーマジック」

今年も皆様には大変お世話になりました。
いよいよ2005年もあとわずかとなりましたが、皆様にとって2005年とは、どのような年だったでしょうか。

さて、今年も、この時期の風物詩(?)、流行語大賞が選ばれました。
トップテンには、小泉劇場、想定内(外)、クールビズ、刺客、ちょいモテオヤジ、フォーー!、富俗層、ブログ、ボビーマジック、萌え~、が選ばれました。その中でも、大賞は、小泉劇場と想定内
(外)でした。

2005年流行語大賞の中で、スポーツ好きの私が特に注目したのは、「ボビーマジック」。
「ボビーマジック」とは、プロ野球球団・千葉ロッテマリーンズの監督ボビー・バレンタインの采配や選手起用法が、まるで魔術師のように変幻自在で、打つ手が次々に成功することをさしたことばです。パ・リーグの2005年シーズンにおける千葉ロッテの成績は2位に終わりましたが、西武ライオンズ、福岡ソフトバンクホークスを相手にしたプレーオフを勝ち抜き、日本シリーズでもセ・リーグの覇者・阪神タイガースを下して優勝し、31年ぶりに日本一を勝ち取りました。
打順はほとんど不動というチームが多い中、バレンタインの場合は、前日に1番を打っていた選手を次の日では6番に据えるなど変化が多いのが特徴です。しかも、その選手がチャンスで打席に立ち、ヒットを打って打点をあげるということも少なくありません。また、4番候補としてメジャーリーグから採った外国人選手を3番や5番に置き、4番には長距離打者ではない日本人のサブローを起用するなど、意外性の高い戦略がいずれもうまくいきました。

先日、ボビー・バレンタイン監督が出ているテレビを見たのですが、彼は「勝っているゲームにこそ、控え選手を出す」と言っていました。通常、勝ちゲームには、守備固めなど特定の選手を出すことはあっても、控えの選手を出すことはあまりありません。バレンタインほど、勝ちゲームでも選手を入れ替えるという監督は珍しいのです。勝ちゲームに控えの選手をなるべく出場させることによって、控え選手も含め全員でチームの勝利に貢献しているんだという気持ちを持たせるためだそうです。そうすることによって、選手のモチベーションも上がるし、レギュラー争いも激しくなるのです。また、バレンタインは、選手の悪いところを責めるのではなく、いいところをほめて伸ばすそうです。
私は、学生時代、教育心理学を勉強してきました。現在は、教育心理とは少し異なる分野の仕事をしていますが、いかにして、子供の才能や個性を伸ばすことができるかということに今でも関心があります。子持ちではないのですが・・・・。

バレンタイン監督の采配や選手の起用法には、そのヒントが多く隠されているような気がします。もちろん、ほめるばかりではなく、時には、厳しいことも言う必要があるだろうし、そのバランスがなかなか難しいとは思います。また、私は草野球チームで野球をやっているので、このボビーマジックをチームに取り入れたいと考えています。それほど本格的ではありませんが。

話が逸れましたが、皆々様が幸多き新年をお迎えになりますことを心よりお祈りいたしまして、年末のご挨拶とさせていただきます。
そして、2006年もどうぞよろしくお願いいたします。
2005.12

文責:うっかり八兵衛