2007年2月のコラム

 祈りの科学


「祈り」に効用はあるものなのでしょうか。

受験生をもたれたご家族の方、試験の前、「転勤がありませんように」「次の電車に間に合ってくれ」など、祈りたい時は日常でもけっこうあると思います。



「祈り」を科学的に検証した例があります。

「第三者が患者の回復を祈ると、効果があるのだろうか?」という、純粋に科学的な調査を行った結果が「American Heart Journal誌」2006年4月4日号に報告されました。

心臓バイパス手術を受ける1800人の患者を対象に、3年間科学的に、データを測定しました。

あるグループには手術前夜から2週間にわたって、1人に対して70人の修道士が祈りました。

もちろん、患者と修道士に面識はありません。

調査の結果、祈りを受けたグループも受けなかったグループも、生存率や合併症罹患率に差はないことがわかりました。

唯一、統計的に有意な差が表れたのは、祈られていることを患者に知らせたグループで、このグループは手術後に不整脈を起こす割合が、知らなかったグループより高かったそうです。(知っていたグループは59%、知らなかったグループは52%)

研究チーム(ハーバード大学医学部や心理学者や聖職者)の分析では、神経過敏による悪影響と推測しています。「患者は『修道士から祈祷を受けるほど、自分の病状が悪いのではないか』と不安に思った可能性がある」。「ただし、これは近親者や友人による祈りではないので、人間関係から生まれる祈りのパワーについては、別の研究を待たなければならない」としめくくっています。



社内で、年度末の納品が重なっているさなかに、こんな話を聞きました。

山に登る人たちが「山で友人が遭難した」という一報をきいた時、友人を救う方法に「松」「竹」「梅」とある。



 松:ヘリコプターが出動

 竹:人海戦術

 梅:麓(ふもと)で祈る



「祈り」は遭難した人を救うことができるのでしょうか。困難に直面している同僚を楽にすることができるのでしょうか。

皆さんはどう思われますか。

もしかしたら、祈っている本人を精神的に楽にするかもしれない、と思います。

「何もできないから、せめて祈ることだけでも・・・」

文責:ST&UV