2004年3月のコラム

通勤路の桜も8分咲きになってきました。皆さんお花見などされましたか?
もう3月も終わり、街中ではたくさんの袴姿・スーツ姿を見かけます。

この春から、学生生活に別れを告げ、社会人になられる方も多いでしょうね。
今回はそんな方、いえ、今会社等にお勤めの方、就職活動真っ最中の方にも見ていただきたい本を今回は取り上げてみたいと思います。

『オトナ語の謎。』糸井重里監修 ほぼ日刊イトイ新聞 

会社に入りますと、場合によっては「研修」として、一通りのマナーを丁寧に教えてくださることもあると思いますが、中には「いきなり実践!」の場合も増えているのではないでしょうか。

実際、私もそういった研修は一度も受けたことがありません。
前職は接客業でしたので、電話一本取るのでもどきどきでした。
そんな経験を経て、いえる事は
「学校で習った敬語は、あまり活用されない」。

会社、という組織に入ってしまうと、実は敬語よりも、その社会における言葉の使い方、というのが必要になるのではないかと思います。
この本が、なぜ、「オトナ語」というタイトルを持っているのか、その辺りも、こういった「その社会における言葉の使い方」という問題に絡んでいるように感じられます。前書きの部分にも次のように書かれています。

「社会が変われば、言語が変わる。学生を卒業して社会人になるということは、新しい言語の流通する文化圏で生活していくことなのです。」

『オトナ語の謎。』ではそういった実社会における様々な(本当に様々な)例文があがっています。しかも非常にするどいコメント付きで!たとえば…

「お世話になっております」
オトナの世界はこの一言より始まる。いわば「お世話になっております」はオトナの世界における万物の始まりといっていい。使い方の基礎を述べるとすると、ほんとうにお世話になっているかどうかは関係がない。とにかく、開口一番、あっという間にそう述べるべきだ。
「お世話になっております」
そう、たとえあなたがまるでお世話になってなくとも。
「お世話になっております」
むしろオレがおまえのお世話をしているのだと思っても。
                         (後略)

どうですか!心当たりのある方いらっしゃいませんか!
私も「そうそう!」と思うと同時に、「お世話になっております」という言葉に本当にお世話になっているなあと、改めて思いました。

新社会人の方は新鮮な気持ちで、また、現在社会の荒波にもまれている方はほくそえみながら、読んでいただけるのではないでしょうか。

何らかの節目となる季節、体調も崩しがちだと思います。
どうぞ皆さん体に気をつけて、新しい生活を楽しんでいきましょう。

2004.3

文責:alto