2003年12月のコラム

送り仮名について。

2003年、日本国内での世帯あたりのパソコン普及率は60%を超えたそうですね。パソコンや携帯で文章を書く機会も読む機会も多くなりましたが、
「昨日XXに逝って来たよ☆」(霊媒体質?)
「年末合うときxxを持ってくね(はぁと)」(会って下さい)
といった文にならないように気をつけたいものです。

このような誤字脱字・パソコンの珍変換についてはあちこちで取り上げられる機会も多いようですが、この他にも、

「話しを聞いた」
「組みが分かれたので…」

なんて記述を時々──否、結構頻繁に目にします。
いわゆる教科書どおりなら、
動詞の活用形と名詞が同じ読み(漢字)である場合の送り仮名間違い(変換候補の選択ミス)となるケースですね。
#「送り仮名の許容」の話等、色々あるのですが、この話は長くなるので割愛します。

教科書で習うような「送り仮名の付け方」(*)に従うなら、

「話を聞いた」
「組が分かれたので…」

が正しい記述です。

活用形が転じて名詞形になったものもありますが、
「話し」は、「お話しした通り」「話し方」のように、
「話す」動作そのものを指すときに使います。
「組み」は、「活字の組み」「組み写真」のような場合で、
「赤組」「さくら組」のようなときは「組」です。

この他にも「光」と「光り」等ありますし、このほかのパターンの送り仮名ミス(?)もあったりします。

内輪の確信犯で使う分には、他人がとやかく言うことじゃないと思うのですが、公では、うっかりしてほしくないな、と個人的には思います。
ちょっとしたことなんですが、せっかく気分良く読んでいるところに水を注された気分になるので、気をつけたいなと思います。

(*)ちなみに、
送り仮名の付け方については、内閣告示の「送り仮名の付け方」があります(昭和34年内閣告示第1号にて実施。後、昭和48年改定。昭和56年一部改正)。興味のある方はご一読を。

2003.12

文責:KonoK