2003年9月のコラム

 今年は冷夏と言われていましたが、9月になってから厳しい残暑が続いておりますね。私はこの夏、涼しい日本をわざわざ離れ灼熱のフランスへ行ってまいりました。
 今回はそんなことはなかったのですが、以前フランスに行った折には、お店の人も駅の係員さんもが英語を話してくれず、ちょっと辛い思いをしました。あとからフランスでは1994年に「トゥーボン法」というフランス語を守る制度を導入していると知り、そのせいかしらと思っておりました。フランス語ではたとえばコンピュータにも「ordinateur」という単語がちゃんと割り当てられているのだそうです。

 これに対しまして日本語は多くの国の言葉を受け入れつつ、日々進化しておりますが、知っているふりをして実はよく分からない言葉とかありませんか?

 国立国語研究所の外来語委員会では、一般に分かりにくい外来語に対し、どのような言い換えを当てるのが良いのかを提案しています。この提案は新聞などにとりあげられる機会も多いので目にされた方もいらっしゃるかもしれませんね。
 この委員会の第2回言い換え提案では、「オンライン」、「ベンチャー」、「シミュレーション」などの言葉が取り上げられています。この提案で挙げられている語のうち、「日本人全体の理解度が25%以下」のものの中から抜粋し、弊社の社員に「この外来語を日本語に置き換えるとどうなるでしょう」というクイズを実施してみました。

問題にした語は下記の通りです。

  • アイデンティティー
  • グローバリゼーション
  • ケーススタディー
  • コラボレーション
  • サマリー
  • タスク
  • ポテンシャル
  • ユビキタス
  • ログイン

どれも「あ、みたことある」という語ではないでしょうか。
さて、みなさんならどんな日本語で置き換えますか?

さてさて言葉を仕事にしている弊社社員の回答は…。
☆グローバリゼーション
→拡大化、世界共通化、国際化、地球化
(なんとなくそれらしいですね。)

☆ユビキタス
→どこででも、有美来足須、未来型社会
(むむ、ちょっと難しいですね、苦悩の跡が見うけられます。)

☆ログイン
→使用者入室、進入、参入、使用開始、認証、入る、
パソコンにアクセスして使えるようにする
(意外にもこれが一番の難関でした。「ログインはログイン!」という声も…。回答を見ていると、この語については「入」というイメージが強いようですね。毎日パソコンを前にしている私たちにはとてもしたしみのある語なのですが、いざ「じゃあ日本語では?」といわれると困ってしまいますよね。)

国語研究所が提案している言い換え語は次の通りです。

  • アイデンティティー → 自己認識
  • グローバリゼーション → 地球規模化
  • ケーススタディー → 事例研究
  • コラボレーション → 共同制作
  • サマリー → 要約
  • タスク → 課題
  • ポテンシャル → 潜在能力
  • ユビキタス → 時空自在
  • ログイン → 接続開始

…いかがでしょう、言い換えられた語を見ると、なんとなく意味が明確になるものもあるのではないでしょうか。(私などは見てもわからないものも多いのですが…。)

新しい言葉をいかしつつ受け入れる日本語、自国語に置き換えるフランス語、どちらにしても語彙は増える一方ですが、10年後、20年後にはどうなっているのでしょうかね。

余談:前回フランスに行ったときにはずっと「マドモワゼル」と言われていたのに、今回はずっと「マダム」でした…。年をとった…いえいえ、一人前になったのでしょう!ね!

文責:alto